イタリア国民投票・レンツィ首相辞任-その2

政治的な記事が続いてしまい申し訳ないですが、本日もまた国民投票の話をちょっとだけ。きっとこれで最後になる…はずです。

さて昨日は、投票率・投票先の南北での差についてお話しました。今日は、国民投票の否決が何を示すのか、今後どのような政治情勢になっていくのかについて掘り下げてみたいと思います。あくまで私が実生活で触れた意見を元にした個人的な見解ですので、国民の総意でもオフィシャルな情報でもないことをあらかじめご了承下さい。

なぜ否決が勝利した?

以前の記事でも触れたように、「レンツィ憎し」という感情から、否決=レンツィ辞任を実現させるためにNOに投票した人の割合は高かったと思われます。実際に街中を歩いていても、反対キャンペーンとして使用されているポスターやチラシには、今回の憲法改正案の何がいけないのかということより、レンツィを引きずり落とそうという目的のものが非常に多く目に付きました。

また憲法改正案自体にも問題があり、専門用語が多く非常に読み辛い仕上がりになっていました。実際に政治記者をしている私の友人も、3回読んで漸く大枠が理解できた、という位です。政治や法律に明るくない一般人からしたら、こんな難読な改正案の裏にはなにが隠されているかわからない、と不信感を持つのは当たり前のことであり、それなら完璧ではなくとも今までの法律をキープしたほうが被害が少ないだろう、というネガティブな感情が多くの人に広まったことも否決が勝利した一因だと考えます。

そして独裁政治への恐れから否決を選んだ人もいました。今回の改正案が可決されると上院の権力が弱まり、下院と首相に権力が集まりすぎることを不安視しているためです。過去のムッソリーニ時代に逆戻りすることを恐れ、権力の分散を重要視し否決を選択したのでしょう。

上記三点が、私がミラノで感じた否決勝利の原因です。いずれの理由にも、根本には現行政権への不信感というものがあると強く感じました。

これからどうなる?イタリア政治の行方

国民投票の最終結果が出た直後、レンツィ首相は辞任の意を表明。辞任にはイタリア共和国大統領であるマッタレッラ氏の承認が必要なのですが、現在審議中の2017年の予算案が今週末に成立予定のため、マッタレッラ大統領はレンツィ首相に辞任延期を要請しました。そのため、実際に辞任→次の内閣・首相について話がもちあがるのは来週の月曜日(12月12日)以降になると見られています。

その後マッタレッラ氏は専門家による暫定政権(Governo Tecnico)を立てるか総選挙を実施するかの選択を迫られますが、ひとまず暫定政権が発足し2018年春に予定されている選挙まで行政の実務を担うだろうと見られています。

反対運動の先導者は誰?

今回の国民投票の反対運動を先導したポピュリズム政党五つ星運動のベッペ・グリッロ氏は、早期の総選挙実施を要求しています。この五つ星運動はすでにローマ市長とトリノ市長の座を有しているため、総選挙が実施され十分な議席数を得ることが出来れば、政党が以前から求めていたイタリアのEU離脱が現実になる可能性も否めません。

このグリッロ氏は元コメディアン。アメリカのトランプ次期大統領と通じるものがあり、彼の率いる五つ星運動が政権を握れば、イタリアは近い将来大きな変革期を迎えることになるかもしれません。

兎にも角にも、国民にとって一番良い結果になるよう、祈って待つのみです。
FORZA ITALIA!

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